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このたびは当園のバラ苗をご購入いただきまして、有り難うございました。
せっかくのバラ苗が皆様の期待の花を咲かせるために、バラの作り方について話してみました。
何らかのご参考になり、美しい花がいつまでも咲くことを願っております。
資材については一般的に手に入りやすいもの、また、育て方は失敗の少ない方法という観点から記載しています。
 
 

 1.植付け適期に良い土に良い苗を植えましょう。
 @ 良い苗木の選び方
 

根はしっかりして細根が多く、接口はしっかり良く活着していて、茎は太く節間がつまり、よく引き締まり、葉はつややかで大きく厚く、病害虫のないもの。
苗の繁殖方法は、一部挿木もおこないますが、接木苗が大部分を占めております。接木にも芽接と切接があります。挿木苗よりも接木苗が、切接苗よりも芽接苗の方がしっかりしています。
苗の生産段階で、根頭癌腫病の予防薬「バクテローズ」を使用していると病気の発生率がぐんと下がります。(当園では使用済み苗を販売しています。)

 A 植付適期

1年苗(新苗)は3〜5月、2年苗は1〜2月に植付けるのが植付け後の成育も順調です。
植付けの場所は、日当たり・風通しの良い所がバラの成育も良く、病害虫の発生も少ないです。ただし、適期ではないからという理由で、極端に悪い土や狭い鉢で栽培を続けるのは、良くありません。そんな場合、鉢から地植えや大きい鉢に移すのは、1年中構いません。(生育期に植え替える場合は、鉢土を崩さないようにしてください。)
 地植えのバラの移植
 地植えをしたバラを別の場所に移植したい場合は冬に行います。
なるべく根を大きく堀上げますが、地上部が根に対して大きすぎるときは、枝を間引きましょう。
ただし、余り古木ですと、根付かない場合もあります。元のバラがあった場所は「忌地」となっていますので、続けて別のバラを植えつける場合は、大きく土の入れ替えをする必要があります。

 B 花作りは土作りから

植物の育成の適した土とは、保水力がありしかも排水と通気性が良く、肥料分の保持の良い土が最適です。バラには、その他に粘質土が良いとされておりますが、砂質土でも堆肥・牛糞等の有機質肥料を多量に施すことにより、バラに適した土を作ることができます。

目安として、堆肥や腐葉土を土の1/3混ぜるのが一般的に良好な土と言われています。

植付け方法は、【図A】のように最低でも60cm立法位の穴を掘り、腐葉土を土の1/3分をよく混ぜフカフカにした土を入れます。この作業は出来れば植付け1ヶ月前に準備しておきましょう。
この穴へ接口がややかくれる程度の深さに苗を植付けます。浅植・深植は後の成育を悪くしますので注意します。
植付けが終われば充分に潅水(バケツ1杯)してマルチングを行い(腐葉土、バーク堆肥、藁、かんなくず等、5cmの厚みが目安)、支柱を立てて品種名を記入したラベルを立てておきます。

鉢植えの場合も上記に準じますが、鉢底に赤玉やゴロ土を敷き、排水をよくしましょう。水遣りは鉢底から水が流れ出すまで十分に与えます。

腐葉土
 堆肥とは、肥料ではありません。植物や動物の糞、食品の残りなどを積み上げ、微生物の働きで適度に分解したものです。腐葉土が代表です。
市販されている腐葉土は品質にかなりなばらつきがあります。完熟品は安価に出来るものではありません。未熟なものを選ぶとガスが発生し根を痛める原因となりますので、なるべく上質なものを選びたいものです。
 
 広い場所での土づくり
広い場所に一気に植え付ける場合、その土の1/3を腐葉土にするのは大変に費用がかかります。その場合、11月頃から植穴の半分程度の落ち葉を集めて、土とよく混ぜ穴に戻し水をかけておきます。その後乾燥するようであれば時々水をかけながら、バラ苗の到着を待ちましょう。
厳密に言いますと、発酵しますので、ガスが出てしまいますが、鶏糞などと一緒にしなければ、それほど根に影響もないでしょう。実際、予算の限られた団体では、このような形でバラを栽培し、問題なく育っています。肥料分は後から与えることができます。
あるいは、バーク堆肥でしたら、腐葉土より安価に手に入ります。
 
 粘土質の土
 「60cm立方」というのはあくまで目安です。カチカチの庭土ですと、もっと大きな穴が必要です。1m立方ほどでしょうか。
粘土質を好むと言われるバラですが、余りに粘土質だと、排水が悪く水が溜まります。水を入れたコップの中に根をずっとつけているかのような状態ですので、根を傷めてしまいます。根付いたら粘土質を好むということです。植え付け時には、スコップで土の切り返しをよく行い、フカフカの土を用意して根が伸長しやすい環境にしてあげましょう。

 C 植え付け株間
 ハイブリッド・ティ  株間75〜120cm
 フロリバンダ  株間60〜120cm
 ミニチュア  株間30〜45cm
つるバラ  株間2〜6m
オールドローズのチャイナ、ティ、ポリアンサなど、小さめの木立バラ。  ミニチュアとフロリバンダに準ず。
 半つる性、つる性のオールドローズ
(ケンティフォリア、ダマスク、ハイブリッド・ムスク、ノアゼット等)
 つるバラに準ず。
 いずれも1列または2列植え(つるバラは1列植え)が後の管理が楽であり、また株間の広い方が日照・通風が良いので、成育も良く病害虫の発生も少なくなります。
 
 2.肥料と水
バラは春から秋にかけて次々と新芽を出し、成長しながら開花しますから、肥料は欠かすことの出来ないものです。バラには一般的に窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)の成分比1:3:1、または1:2:1とリン酸成分を多く必要とします

@ 油粕と骨粉が基本
昔からバラの肥料の代表は「油粕」と「骨粉」でした。しかし、昨今BSE問題の影響で骨粉が手に入らなくなってきました。
我が家では、骨粉の代用品として、「ユーキリン」を使用しています。生育良好と感じていますし、失敗が少ないので、お勧めしています。1年中これだけでも十分育ちます。
基本は1:1で混ぜて使用しますが、状況に応じて比率を変えていくことも可能です。

「油粕=なたね粕」と「ユーキリン」を小分けして販売していますので、興味のある方は試してみてください。
「肥料のご説明」のページへ

 A 施肥カレンダー (なたね粕とユーキリンを使用)

※地植えの木立バラ1株をサンプルとします。
※なたね粕とユーキリンは、同量混ぜて使用するのを基本とします。

 1〜2月 寒肥として1回。(冬剪定)
 3月 新芽が伸び始めたら1回。
 4月 蕾が大豆粒の大きさになる前に1回。
 5月 春の一斉咲きの後、花がら処理後、1回。
 6月 二番花が終われば残花処理を行い、1回。
 7月 1回。
 8月 1回。夏剪定後の発芽成長を良くするために、剪定10日位前に追肥を施し、充分潅水しておきます。
 9月 1回。(夏剪定)
 10月 夏剪定後、伸びてきた蕾が大豆粒の大きさになる前に1回。
 11月 秋の開花後、花がら処理後、1回。
 12月  
 従いまして、目安として、年間10回程度、施肥を行います。一季咲きの場合は秋の花のことは考える必要はありませんが、回数は同じです。面倒な方は、「月1回、蕾が膨らんだらストップ」と覚えておいてください。
※施用量は土壌条件によって大きく左右されます。また品種によっても施用量を調節する必要があります。ご自分の畑の性質や品種の特性を早くつかむことが大切です。
 
 蕾が膨らんだら施肥ストップ
花が咲く頃に肥料が効いていると、「花は大きいが花形にしまりがない」、「色鮮やかさがない」、「切花で日持ちがしない」と、もったいない話になります。
 鉢植えの施肥
鉢植え栽培の場合、肥料が多すぎると枯れ死する原因になりかねませんので、特に化成肥料ではなく、有機肥料を施されることをお勧めします。
 ユーキリンは元肥としても有用
 ユーキリンは、植え付け時に土に混ぜて元肥として使用することも可能です。
上記の施肥カレンダーにそって与えるのであれば、7号鉢に大さじ1杯程度を目安として土に混ぜ込んでください。腐葉土が入った土であれば栄養分が流れ出ることを防げます。

 B 潅水
 バラは特に夏の高温期における乾燥は成育に大きく影響します。特に植木鉢に植えたものや、地植でも砂質土の排水の良い乾燥しやすい所に植えられたバラには、乾燥しないように充分潅水を行います。
また、乾燥を防ぐためにマルチングも有効です。
潅水は多めにした方が芽の伸びや花弁の展開に良い結果が出ます。
 
 水遣り3年
 古くからバラの潅水は1本あたりバケツ1杯18リットルの水を与えなさいと言われています。バラを植えてから年数が経ったものは、地下40-50cm深さのところに根が張っていますので、そこに達するように与えなけば潅水した事になりません。
水が溜まって、アオコが発生するような状態でなければ大丈夫です。潅水し、水がすぐ引くようであれば、やりすぎではありません。(植えつけるときに土作りは必要です!)
「水遣り3年」。私どもがお客様と接していて、失敗の原因として一番多いのが「潅水」だと感じています。
 
 
 3.木立バラの剪定、整枝
 
 @ 剪定
 剪定は、良く充実した芽を沢山出させる、つまり良い花を沢山咲かせ、しかも株を大きく成育させるために行います。
剪定の時期は、冬剪定(1〜2月)と夏剪定(9月上〜中旬)の2回行います。

冬剪定
古枝・病害虫のついた枝・フトコロ枝・細い枝・混み合った枝を切除し、また太い枝でも新しい立派な枝が沢山あれば古い枝は整理します。

剪定の強さは、枝の2/3を切る強剪定、1/2を切る中剪定、1/3を切る弱剪定の3つに分けられます。
弱剪定では、残る芽数も多いので成育の良い株であれば、立派な花を沢山咲かせることが出来ますが、勢いの弱い株では、芽は沢山出ても芽は弱々しく立派な花を咲かせることは出来ません。
強剪定では、残された芽数も少ないため、充分に養分の補給が行われ立派な芽が出て、大きな花が咲きますが花数は少なくなります。そのためコンテスト用では強剪定が行われます。
中剪定は、上記2つの中間的な剪定で花も良く株の育ちの良い最も一般的な方法です。

剪定の強さが決まればその株の樹形等を考えながら充実した芽の上で剪定します。この場合、芽の向きに注意して外側を向いている芽の上で切って、株が外へ外へと広がって成長するようにすると風通しが良くなります。

更なる情報は「冬の剪定」のページへ

夏剪定
 春花のように最も美しい秋花を咲かせるために行います。剪定の強さは、冬剪定ほど強くするのではなく、混み合った枝や弱小枝を除き、株の姿を整え、良い芽の所で切りますが、あまり深切りしないように注意します。夏剪定後45〜60日で開花します。
 更なる情報は「夏剪定」のページへ
 
 
夏剪定では、全ての枝に鋏を入れると、秋に春のような一斉咲きを期待できます。良い芽(良く充実した動いていない)を選び、充実度を揃えてやります。
春は何も手を加えなくとも、温度がバラの咲く速度を揃えますが、秋には庭主の手で開花期を調整するのです。従いまして、庭主の手で、一斉咲きでなく秋に順々に咲くことを目指すことも出来るのです。

 A 整枝
 バラは上記の通り、冬と夏の2回の剪定を行いますが、それ以外にもバラは3〜12月まで次々と新芽を出して花を咲かせますので、成育期間中は枝が混み合わない様に、弱い枝は切除し、枝に充分な日照と通風が行われるよう常に注意して、立派な芽を出させるようにします。
 1年苗(新苗)植付け後の枝の処理方法
 美しい花を沢山咲かせるためには、株を作ることが大切です。早く一人前の株を作るためには、新芽の先の蕾が小豆か大豆粒位の大きさになった時に最も上の5枚葉の上で摘芯します。【図B】
そうすることで下の芽が直ちに成育伸長し、次の蕾が出てきますから、再度、最も上の5枚葉の所で摘み取ることを繰り返します。
9月上旬になれば、株も一人前に育ちますので、「夏の剪定」に準じて剪定をし、秋花からは存分に楽しんでください。

更なる情報は「新苗の取り扱い方」のページへ


 ▲摘蕾
 花後の枝の処理(残花処理)と切花の取り方
 いくら美しい花も満開を過ぎ散りかけると大変見苦しいものです。また、散った花弁をそのままにしておくと病気に(ボトリチス病)の発生源となるので早目に切除します。
切除の場合は、成育した芽の大体半分位を除けるよう中間所で切除します。そうすることで、立派な芽を早く出すことが出来ます。【図B】参照。
切花を取る場合、切花としては出来るだけ長い方が良いでしょうが、そのために芽の元の方で切るという事のないように、必ず5枚葉を2枚以上残すようにします。そうすることで、次の立派な芽を早く出させる事が出来ます。

 シュートの処理
 良く肥培された株では、5月頃より株元から大きな芽が次々と伸びてきます。この芽を「シュート」と呼びます。
シュートの先端には木立バラであれば数個の蕾を付けますが、栄養過多で良い花は咲きません。また、将来の幹になる大切な枝ですから、伸びた芽の先端を早目に摘芯して複数の側枝を出させ、その枝に花を咲かせましょう。
 
 
 いくら日当たりがよくても、株元に日照が足りないと、シュートは出づらくなります。

 
 4.つるバラの剪定、整枝
 
 @ 剪定
 つるバラの場合、「四季咲き性をもったつるバラ」と「一季咲き性つるバラ」とありますから、その性質に合った剪定方法を行います。
一般的に四季咲き性の強いシュラブローズやつるバラは、春の開花後に開花枝を整理し充分な施肥管理を行うことで、秋にも花を期待できます。一季咲き性のつるバラは、開花後に古枝を処理し、その後成育伸長の時期ですから、(広さの事情がなければ)通常剪定を行いません。

 A 冬剪定と誘引
 古い枝、病害虫のついた枝、フトコロ枝(株の内部に向かって出た枝)、細い枝、混み合った枝を切除します。
つるバラの場合、春の一番花が最も美しい時期です。特に一季咲き性つるバラでは、春の一番花をたわわに咲かせたいバラが多いですから、尚一層冬剪定では、花付きを多くするような枝の切り込みを行います。つまり、枝の花芽の付く芽をなるべく残し、逆に花芽の付きそうもない細い枝や、枝先端を切ります。

つるバラでは、木立バラと異なり枝は長く残し、春に沢山花を美しく咲かせることを目標に剪定が行われなければなりません。従って剪定も良い芽は沢山残すように、大輪系・中輪系つるバラでは直径7〜10mmより細い枝先を、また、小輪系(ミニ)つるバラでは、5mmより細い枝先を切除します。

剪定が済むと、スクリーン仕立て・ボール仕立て・アーチ仕立て等いろいろな仕立て方がありますが、その仕立て方に応じてフェンス・アーチ・柱等の支柱に春の開花時を想像しながら、枝の配置を考えて枝をしばりつけていきます。これを枝の「誘引」と言います。枝がまんべんなく支柱を覆うようにして咲かせると大変見栄えが良いので、剪定の時には、枝をやや多めに残しておいて、誘引がすんだら後で余分の枝を切り取るとよいでしょう。

つるバラの誘引で特に注意しなければならないことは、立派な大きな枝でも【図C】の左の枝のように直立状態に誘引すると、上部の芽だけしか伸長しないため花数が少なくなります。枝を横に水平状態になるように誘引すると、枝の元の方の芽まで伸長して花を沢山咲かせることが出来ます。

更なる誘引の情報は「つるバラの誘引」のページへ
 
 
 つるバラを絡ませるフェンスやアーチの基礎はコンクリート等で補強してしっかりとした作りにしておきましょう。葉が繁り、雨を含んだバラの枝は予想以上に重く、特に台風時に耐えられるような作りにします。

 B 夏剪定
 一季咲き性つるバラでは、夏剪定を行ってもあまり意味がありませんが、四季咲き性のつるバラでは、秋の美しい花を咲かせるためには、できれば行って頂きたいものです。

夏剪定の時期は木立バラと同じく9月上旬が目安です。
混み合った枝や弱小枝を除くと共に、大・中輪系つるバラでは、エンピツ程度の太さのところで枝を切ります。フェンス等に枝を充分に固定して頂きますと、四季咲き性の強さに左右されますが、50〜60日後には秋の美しい花を期待できます。

 C 花後の枝の処理
 
満開を過ぎ散りかけた花は、大変見苦しいばかりかボトリチス病の発生源となります。つるバラでは花後放置しておくと、バラの実がだんだん大きくなり種子が出来ますが、バラにとって実が成るということは、そちらに栄養を取られて樹勢を弱らせ、後の成育も悪くなるので、残花は開花した枝の元に葉を2〜3枚残した所ですぐ切除します。

そうすることで、下の葉の元に新しい芽が2〜3本伸びてきますが、四季咲性つるバラでは、その芽の先にまた花が咲くことが多く、伸びた新しい枝の元に2〜3枚の葉を残して切除し、新芽が伸びるという繰り返しです。【図D】

 一季咲性つるバラは春の花が一斉に咲いた後は翌年まで花は咲きません。

蕾花の残花処理が行われた後、残した枝よりそれぞれ1〜3本の枝が長く伸長してきますから、風などで枝が折れないように支柱などに固定して、大切に育てます。来春の花を見事に咲かせる枝になりますから可愛がって下さい。
 
 つるバラの四季咲き性
 つるバラの四季咲き性は、伸張力が強い分、木立タイプほど強くはありません。従って、春以外の花数は春に比べるとぐんと少ないです。上記四季咲性のつるバラの話も、花が常に咲き続けると言うわけではなく、花芽を付けず枝を伸ばし続ける芽もあります。
しかしながら、株が充実してくるほど、四季咲性が出やすくなります。一季咲性と言われているものの中にも、株が古くなってくると「狂い咲き」のように、秋にポツポツと花をつけるようになるものもあり、思いがけない楽しみに出会えます。

  D シュート
 春の一番花が終わった頃(5月中旬位)から株元より大きい芽が力強く伸長してきますが、この芽をシュートと呼びます。
つるバラの場合2〜6m位まで伸びますが、台風等により折れ易いため伸長に従い支柱に縛り付けて下さい。できれば、冬の誘引時期まで直立に保ち、芽が動かないようにしたいものです。

品種により良く伸びるものもありますが、もし伸び過ぎる場合は伸長途中に芽の先を切ってやりますと、そこから大きな枝が数本出てきます。シュートは翌年・翌々年の花を沢山咲かせる枝になりますから、株を充分肥培して沢山出させるようにします。株元だけではなく前年・前々年に出た古いシュートの枝の途中からもシュートが出ますが、これにも立派な花を沢山咲かせることが出来ます。 
 
 
5.1年苗(新苗)の育て方のポイント
詳しくは「新苗の取り扱い方」のページへ

 @ 植え付け時の注意
 新苗は4〜6月に販売されますので、購入後、すぐに地植えをするか、大きめの鉢に植え替えます。鉢土を崩さないように鉢から抜き取り、土作りは上記「T.植付け適期に良い土に良い苗を植えましょう」をご参考にしてください。

鉢栽培の場合、鉢の大きさはハイブリッド・ティ、フロリバンダ、つるバラ、つる性オールドローズ、半つる性オールドローズは10号鉢以上。
ミニチュア、小さめ木立オールドローズは7号鉢を基準として選んでください。

新苗は接ぎ口がまだ安定していませんから、接ぎ芽がはずれないように、植え付け後には支柱を立て、必ず枝を固定しておきましょう。

A 植え付け後の水遣り 
 植え付け後は最低バケツ1杯分タップリと水やりをします。鉢植えの場合は、鉢底から流れ出るくらいやります。植え付け後1ヶ月くらいは、根が十分に土に馴染んでおらず、自分で給水する力が弱いので、株の状態を見ながら土が湿っているように水やりをしてください。
ここでの水遣りが根付くかどうかに大変重要ですので、決して根を乾かさないようにします。

 B 施肥の開始
 肥料は植え付け後、根が土になじんだ10〜15日経ってから、施し始めます。

 C 1年苗(新苗)植え付け後の枝の処理方法(木立バラ)
 美しい花を沢山咲かせるためには、株をつくることが大切です。良い株に良い花が咲きます。
早く一人前の株を作るためには、新芽の先の蕾が小豆か大豆粒位の大きさになった時に最も上の5枚葉の上で摘芯します。

そうすることで下の芽が直ちに成育伸長します。又すぐに次の蕾が上がってきますから、最も上の5枚葉の所で再度摘心します。これを夏まで繰り返し、株元から出たシュートも同様に摘芯して処置します。

そうして春に植えられた苗も8月末頃には、株元からのシュートも育ち、見違えるほど大きくなります。
9月上旬に夏剪定を行い秋花から咲かせるようにします。(翌年は春の花から存分に楽しんでください。)

 D 1年苗(新苗)植付後の枝の処理方法(一季咲き性のバラ)
 一季咲き性のつるバラやオールドローズですと、花は来春になります。それほど強い四季咲性を持たない性質のバラも、殆ど翌春からです。
翌春まで花が望めない性質の新苗は、初年度には成長に力を注ぎ、次の春たわわにこぼれ咲く姿を想像しながら育てましょう。「4.つるバラの剪定、整枝」をご参照下さい。

 
 6.病害虫の防除について
 
 バラ作りの中で最も厄介なのが病害虫の防除です。早期発見、早期防除に努めることが一番重要です。
病気は一度発生させますと完治するのが大変です。従って特に成育期間中は、病気が発生しないように定期的に薬剤を散布し予防に努めます。

病虫害発生前の通常の対策を「予防的消毒」と呼ぶ事にします。
3月になり新芽が伸び始めたら、まず、予防的に殺虫殺菌剤を散布します。(ウドンコ病、黒点病、アブラムシに効果のある薬)その後、生育期には、1週間に1回、少なくとも10日に1回は行いたいものです。

もし、黒点病やウドンコ病が発生した場合は、「治療的消毒」と呼んでいる方法をとります。2〜3日間隔で4回程の散布を行い、病気が広がらないようにします。それでも病気が広がり続けるようであれば、薬剤を変えて、再度散布を行います。

また、1〜2月の休眠期に病気害虫の越冬防止として石灰硫黄合剤10倍液を30日の間隔で2回散布するのも大変効果があります。石灰硫黄合剤は金属を腐蝕させますから使用器具は良く水洗いして下さい。
 
 薬剤散布のコツ
 ● 病気も虫も、同じ薬を使い続けると、薬への耐性が出来やすくなりますので、それぞれ数種類の薬を交互に使います。
● 薬剤散布は、葉の裏に十分にかかるように心掛けます。
●一般的な殺菌剤と殺虫剤は混ぜて散布が出来ます。使用方法をよく読んで、濃度を守り散布しましょう。
● 薬の濃度は、何種類か混ぜて使うことが多いと思いますが、まずは薄いほうの濃度で良いですので、その分まんべんなくたっぷりとかけることが大事です。
● 夏の高温期の日中は薬害(葉が縮れる)が出やすいので、午前中の涼しいときに行うようにしましょう。
● 夕方遅くなってからの散布は、そのまま乾かず一夜を過ごすと薬害が出るので、薬の乾く時間も考えて散布します。
 消毒は敷居が高い方
本格的な消毒は敷居が高い方もいらっしゃるでしょう。
その場合、 ホームセンターで販売されているスプレー式の気軽な消毒薬で構いませんから、定期的に散布してみましょう。それで効果があればいいですし。
ただし、恐らく治療までの効果は弱いと思われますので、あくまで予防薬として考えて使用してください。それから、本格的な消毒を試してみますと、効果の程を確認できると思いますので、そう抵抗なく使用できるのではないでしょうか。また、その方が長い目で見ると経済的です。
まずは、やってみよう!

次の章で、病害虫の種類とその防除薬を紹介させていただいていますが、その他にも多くの病気や害虫があります。しかし、病気は黒点病ウドンコ病防除薬、害虫は害虫防除薬でほとんど防除できると経験から感じています。

また、病害虫に強い環境を作り、病害虫に強い株を育てることも大事です。
植物が密集していると、風通し、日照が悪くなり、菌も繁殖しやすく、虫や病気が発生しても気付き辛いものです。
バラにとって良い環境で育て、引き締まったよい株になると、葉の厚みも出て、病害虫に対し強くなります。株間を広くして栽培していると、病害虫に目が行き届きやすくなり、早期対策をとることができます。
 
 予防が大事
天候が悪いと、日照が悪くなり、葉が薄く病気に弱くなりますから、予防にいっそう努めます。
同様に、葉が薄くなる原因として、即効性の肥料を使いすぎることもあります。花屋さんで売っている切りバラの葉は綺麗ですが薄いですよね。加温し、肥料も多めに与えると次々と花は咲きますが、どうしても病気には弱い体質になってしまいます。十分な管理下で育てられているので、商品として出せるのです。
もともとウドンコ病が発生しやすい庭でしたら、花の時期は窒素分を控えるなど、工夫をしてみると良いでしょう。例えば、私共で販売している肥料でしたら、あぶら粕とユーキリンの比率を通常1:1から1:2に変更をします。
気温と湿気の関係も重要ですので、午後の水やりでは葉にかかった水が乾いてから夜を越させるようするようにしましょう。春、秋に、水分が残ったまま夜を過ごさせると、丁度うどんこ病が発生しやすい環境を作っているようなものです。
また、マルチングは黒点病の予防になります。
 
 @ 黒点病
葉に黒褐色の斑点ができ徐々に葉が黄変し落葉します。下葉から木全体に広がり葉がなくなり木が弱り花も咲かなくなります。特に降雨の多い時に頻発します。

オーソサイド、ジマンダイセン、マンネブダイセン、サプロール、ダコニール、トップジン等で防除します。 
 
 当園では通常「ジマンダイセン」を中心に防除しています。これは防除効果は高いのですが、葉に白い汚れがつきます。雨でだんだん洗い流されていきますが、花の開花前になると、汚れが残らない「サプロール」を散布しています。

 A ウドンコ病
若い枝や葉、蕾や花首に発生しやすく、灰白色のウドン粉をふりかけた様な病斑がでます。
4〜7月と9〜10月の湿度の高い夜の冷える時に多発します。
また品種によって耐病性が違います。また風通しや施肥管理によっても、ある程度発症を押さえることができます。窒素が多くカリが不足気味な場合に発症しやすいので,バランスの良い施肥を心がけましょう。

ベンレート・サプロール・トリフミン・ラリー等で防除します。 

B 枝枯れ病(キャンカー) 
枝の切り口や傷口から菌が侵入し、表皮が白く乾いたようになり段々と広がり枝を枯らします。
夏の高温期、特に台風時、枝同士が触れ合い棘で傷つくことで菌が入り、発生しやすくなります。

基本的に黒点病の薬で効果があります。

 
 台風後の消毒のタイミング
日頃から、台風が通過した後は、消毒をする事を習慣づけたいものです。タイミングよく消毒をすることで、効果があがり減農につながります。
海に近い地域の方は、潮が風にのってきている可能性がありますので、まずは、水で株を洗い流すようにしましょう。「潮に強いバラ」はありません。

 C 灰色カビ病(ポトリチス)
開花前の大きくなった蕾に灰色のカビが発生する病気です。蕾はくさり開花しません。湿度が多いと発生しやすいので、梅雨時期等は特に注意が必要です。又、開花期に窒素肥料過多の場合も発生が多く、花の色では白色や淡色の、弁質のやわらかいものに発生が多く見られます。 

マンネブダイセン、ベンレートを散布します。冬の石灰硫黄合剤も効果があります。

 D 根頭癌腫病
順調に成育していたバラが急に衰弱することがあります。こんな時は株元に大きな「醜いコブ」が出来ていることがあります。これが根頭癌腫病です。決定的な防除方法はありません。生産段階での予防薬バクテローズの使用が一番効果があります。(当園では、バクテローズを必ず使用しています。)

初期の小さなコブでしたら、そのコブをえぐりとることで回復することもあります。(ナイフ等でコブを「削る」のではなく「えぐり取り」ます。えぐり取ったと思ったら、それよりもう一回り大きくえぐり取るくらいの気持ちで行います。)
しかし、一般的には成育不良が続きますので、残念ですが株を掘りあげて処分します。
時に枝途中にもできることがあり、出来た場所から先の枝の生育が極端に悪くなります。その場合は、切除することで復活することもあります。
 これは癌腫ではありません!(右下写真)
芽接ぎ部分が充実してくると、台木を包むようになります。
このコブ状のものを癌腫と間違われる事があるのですが、とてもよい株の状態です。

 
 
E  アブラ虫
緑色又は褐色をした小さい虫で新しい茎や葉から養分を吸収し、1年中発生します。
殺虫剤をかけますとすぐに駆除が出来ますが、繁殖力が盛んで数匹残っているだけで、大発生しますので注意が必要です。

マラソン、オルトラン、スミチオン等で防除します。 

 F アカダニ
6月頃から葉の表面がかさかさに乾いた様に変色します。とくに高温乾燥期に多発します。
肉眼では確認できないほど小さいので、指で葉をこすってみます。ダニが発生していてたら、赤い体液を確認出来ます。
 
 ダニ用の薬剤
  虫(ダニ・スリップス・アブラムシ)は世代交代が激しいので、抵抗力がすぐについてしまいます。完全防除しないと、残った虫が繁殖し、抵抗力をもった子供が出来、次にはその薬が効かないという事態になります。
従って新しく開発された薬が効く訳ですが、新薬開発のための研究費、そして、抵抗力がつきやすいため販売期間が短いなどの理由で、価格は高いのが実情です。

 G カミキリムシ(テッポウムシ)
6月〜7月に成虫が飛来し、バラの木、特に根元に産卵し、ふ化した幼虫は茎の内部を食害し、空洞を作り茎を一周すると上部は枯死します。
左写真の成虫を見つけたら「百害あって一利なし」、すぐに捕殺します。




右写真のような枝をかじった痕があったら要注意。近くに成虫がいるという証拠です。
子孫を良い状態で残そうとするためか、よく太った株を狙って産卵しようとするように思います。
幼虫は、木クズのようなフンを地上に出しますから、フンを見つけたら穴に針金を入れて幼虫を刺し殺すかEPN乳剤等(残った殺虫剤で可、スプレー式のカミキリ虫用の薬も販売されています。)を注入して殺します。

右写真は枯れ死した株元から出てきた幼虫。
 H チュウレンジバチ
体長1〜1.5cmで、腹部全体がオレンジ色でで黒い羽を持ちます。
茎に卵を産みつけ、卵から幼虫が孵り葉を食べてしまいます。

産卵中は捕まえやすいので捕殺し、産卵した場所は切除します。
 I バラクキバチ
体長2cmほどで胴にオレンジ色の帯のあります。
4月中旬から5月中旬に発生します。この時期に新芽の茎に産卵しますが、この時に茎の導管を切断するため急に新芽がしおれます。(右写真)
このハチは飛来して産卵しますので完全防除は困難ですが、定期的な消毒である程度防げます。
被害茎には、縦に2mm位の黒い傷が有ります。そこに産卵していますからこの部分を除くように茎を切ります。
 J コガネムシ
5月頃から新芽の先(花や蕾)を飛来した成虫が食害し、土の中に産卵して孵化した幼虫(左写真)が根を食い荒らし、葉が黄変し枯れることもあります。
成虫は、見つけたら捕殺しますが、朝早い時間帯は動きが鈍く捕まえやすいです。

子孫を良い状態で残そうとするためか、腐葉土の多い良い土を選んで産卵するので困ったものです。



鉢の中に3匹の幼虫が見つかり、細根を全て食べられてしまいました。(右写真)
復活するかどうかわかりませんが、なるべく根を残して植え替えるしかありません。
 
殆どの害虫は一般的な殺虫剤で駆除できます。飛来してくる害虫は完全な駆除は難しいとはいえ、定期的な消毒はやはり効果があります。病気予防の消毒に殺虫剤も混ぜて、定期散布を行いましょう。殺虫剤は基本的には虫の体に薬がかからないと駆除できないと考えて散布を行うようにしましょう。
 
K 病気というより生理現象 
右写真のように葉の周りが茶色くなり、「病気!?」と心配になる方がいらっしゃるかもしれませんが、これは、水不足によるバラの生理現象で、次の芽は綺麗に伸びていますし、この段階では心配はありません。
写真のバラは鉢植えで、真夏に撮影されています。
水不足・・・でも、水遣りはやっているのにどうして?と思われるかもしれません。
毎日水遣りをしていても、例えば人間が涼しいと感じる風のある日はバラにとっては乾燥が加速する日ですので、いつもより多めに与える必要があります。また、とても暑い日は、葉からの水分の蒸発に根からの吸水が追いつかず、いくら水を与えたからといっても、結果水不足の状態になることもあります。ある程度仕方のないことではありますので、心に余裕を持って育ててくださいね。一時の水不足があっても、こうして次の芽を出し、花を咲かせるバラはけなげで可愛いです。
右の写真は葉が茶色くなるほどではない軽度の水切れの状態で、葉にゆがみが出ています。
この程度のものは真夏に良く見られます。
そのうち涼しくなると、落ち着いてきますから、どうぞ焦らずお世話を続けてください。


 鉢の中だけの世界だから人間の腕次第
 地植えの場合は、根付いてしまうと、たとえば少々の乾燥にも耐えうるようにバラ自身が根を伸ばすなりして対応する力を持ちますが、鉢栽培の場合は、バラにとって一番大事な水の管理は人間が行うことになります。また、肥料を与えすぎた場合に逃げる場所がありません。
バラは強い植物ですが、鉢栽培の場合は、人間の作った環境の中でしか生きられないということを念頭においてお世話をしてください。
 
 バラは強い植物です。
バラを育てたことがない方は、「バラは大変」、「バラは弱い」とい印象を持っている方も少なくありません。
しかし、実際に育ててみますと、バラのたくましさに驚かれる方も多いのではないでしょうか。また、四季咲き性のバラは本当に繰り返し良く咲く働き者で、肥料を欲しがるのも頷けます。これだけの幸せを与えてくれる樹木はそうそうないように思います。

バラは基本的に強い植物です。しかし、根を乾燥させてしまうと枯れ死します。あと致命的なダメージとしては、根頭癌腫病とカミキリムシの幼虫の害くらいでしょうか。

一年を通してバラと接することで、「人間が朝起きて歯を磨いて・・・」と同じように、「月に一回施肥して、冬になったら剪定して・・・」とそのスケジュールどおりにすることが意外と楽に感じてきます。基本は毎年同じですから。

バラの花はことのほか美しく、お世話の加減で花が違ってくるので、更にバラを美しく咲かせたいという思いが様々な「バラの栽培法」に書かれています。多少の違いがあっても、だいたい主旨は同じではないでしょうか。
まずは一年、以上の栽培法を参考に出来る範囲でやってみてください。(水だけは重要!)
分かることが沢山ありますし、理解の度も深まり、「バラって素晴らしい!」と感じていただけると思います。
 



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