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冬のお世話は来るべき春に、前年の成功はさらに成功へ、失敗はリベンジする最大のチャンスです。
冬のお世話程度がすぐに春に結果として表れますから、実はとても楽しい作業です。
 
 目次
・冬のお世話
・誘引のヒント(つる性のバラ)
・マルチング
・冬剪定(木立バラ)
・鉢の土替え

・春の姿
全般的なお話はこちら↓
 
 
冬のお世話
 1.時期
 1月から2月のバラの休眠期に行います。(寒冷地以外)

 2.剪定 剪定方法はこちら。
 木立タイプのものは、株全体の高さの約1/3にするのが一般的です。
古枝、細枝は取り除き、主幹を残すようにします。
そうすることにより、枝の徒長を防ぎ、美しさ、大きさ、弁数など、そのバラ本来の一番美しい花をそれなりの花数で楽しめますし、新しいシュートも出やすくなり、将来の主幹が出てきます。

つる性のものは、基本的に去年伸びたシュートにいい花が咲きますから、枝の更新をかねて、古い主幹は取り除きます。去年花が咲いた枝で、取り去るほどでもない枝は、花枝の2-3芽上でカットします。
古枝、細枝は取り除き、主幹を残すようにします。

 3.葉を取り除く
暖冬の影響で、なかなか落葉しなくなりましたが、その場合、手ですべて取り去ります。

その理由・・・おおまかですが、
1.葉に隠れて病原菌、害虫が越冬をするので、春の新芽から早速悪さをするため。
2.冬の消毒の定番、石灰硫黄合剤を散布するポイントは、まんべんなく余すところなく散布することで、葉があると、むらができる。
3.春に瑞々しい新芽が出てきたのに、その脇に古い葉が残って、茶色くなって、くっついていたりしたら、美観を損なう。

※休眠期より早く葉を落としたり、剪定を済ませてしまうと、本格的な冬の前に芽が出てきてしまい、少し出てきたところで折角の新芽が寒気にあたり、そのまましおれるという、大変もったいないことが発生する可能性があります。バラの休眠期に適切に処理をし、冬の間に芽が動かないようにすると、春の花が殊のほか美しく咲きます。

 4.鉢植えの土替え
 鉢植えで栽培している株は土替えをしましょう。土替えの方法はこちら。

 5.石灰硫黄合剤を塗布する
 冬の消毒の定番、石灰硫黄合剤を塗布または散布します。
病原菌や害虫の越冬を防ぐためのものですから、流れるくらい、塗り残しのないようにするのがポイントです。
それでも、どうしても、ムラは出来てしまうと思いますので、一冬に2回するのが理想です。
その場合、散布の間は一ヶ月は空けましょう。
マシン油乳剤でもOKです。

ただし、取り扱いには充分に気をつけて、防護服、マスクをして臨んでください。
常緑樹の葉に薬がつくと葉が枯れます。また、物を錆びさせるので、使用器具は充分に洗ってください。

 つる性のものは誘引をし直す
 つる性の枝を横に誘引することにより、花数が増えます。1-2月は、枝の水分が少なくなり、枝を曲げやすく誘引がしやすい時期です。
出来れば、毎年、誘引をし直し、無理であれば、2年に1度は全体をやりなおすように心がけたいものです。
慣れてくると、この作業が一年で一番楽しくなります。
  【悪い例】

誘引をし直さないと、将来、上のほうばかりで咲き、目の高さでは花を愛でることが出来なくなります。アーチの中を通っても、太い枝が見えるだけです。
頂芽優勢で、どうしても、天高くアッチの方角を向いて咲いてしまいます。
・・・もったいないです。コッチを向いて欲しいですよね。

また、これだけ古く太い枝になると、もう誘引し直すのも困難になります。枝の更新をしていく気持ちを持って、冬の誘引をすることが大事です。 
    【良い例】

毎年手を加え、枝を下に横に誘引することにより、フェンスもポールもアーチも、上から下まで花が咲くようになります。
下からのシュートも出やすくなり、翌年の誘引が楽になります。

 
誘引のヒント(つる性のバラ)
 鉢植えでの誘引
 
半つる性の苗。S字に仕立てました。細い枝をかなり整理しています。我が家の鉢は販売用に小さめなので、真似をしないように。水の管理が大変になります。 つる性の苗。行灯仕立てにしました。こぼれるように咲かせる秘訣。
   
 アーチの誘引

アーチの場合、絡ませる初年度はなるべく下の方にボリュームを持たせるようにして誘引します。下からの良い枝が出やすくなり、アーチのはるか頭上でしか花が咲かないということを避けられますし、翌年以降、楽です。
誘引に慣れてくると、枝が意外と曲がることに驚かされます。水分量が少ない冬だからこそです。だからといって、くれぐれも無理してボッキリと折らないように。

誘引の仕方ですが、一度枝を解いて、まず最初にアーチのなるべく足元の部分に枝を曲げれるだけ曲げて留める。このくらいの太さの枝でしたら、ビニタイ2本を何重にも巻かないと枝の勢いに負けますので、しっかりと留めます。そして、上に向かって枝を横にしながら曲げるところのポイントポイントでビニタイで留めると、「曲がらない〜〜(泣)」ということもなくなります
右の写真、勢いのある株はかなり思い切って古木を整理しても大丈夫だと感じていただけるでしょうか。
 
これは3年目のアイスバーグ(つる)です。
下からの良いシュートが一杯出て嬉しくて間引くことができず、思いっきり誘引してみました。実際はもう少し枝を整理したほうが、管理がしやすいです。

春にはアーチ全体が花で覆われました。
これだけモリモリと咲くと、次の冬はもう少し間引くことが怖くなくなりますから、いろいろと試すと思い切りが良くなってきますよ。

 フェンスの誘引

枝をなるべく水平に、あんまり上に直立させないように、かと言って、フェンス全体が寂しくならないように配慮して誘引しました。

余りに直立的に誘引すると、頂芽優勢で、上のほうの枝からばかりシュートが出やすくなり、株元からのシュートが出づらくなります。

上のフェンスを裏側から写しました。

冬の誘引のし直しがしやすいので、あまり品種同士を絡ませすぎないように仕立ててありますが、上手に混じり合って咲いています。
大きな株元にはグランドカバー系の品種を植えてあるので、フェンスが完全に覆われます。
 ポールの誘引
アーチやフェンスと同じ考え方でなるべく下のほうから巻いていくようにします。
左の写真ではポールの周りに背の低い木立ちタイプのバラ(チャイナ、ティ系)を植えています。
奥はフェンスに誘引しています。

春の開花をした様子。
ボリューム満点に咲きました。
 半つる性の誘引
半つる性のバラは、剪定で伸ばすか短くするか好みで決められたらいかがでしょう。
半つるを半つるらしく楽しみたいとき、簡単オベリスクを作ってみましょう。
イボ竹を3本、しっかりと土に挿し、クロスした部分を紐で縛ります。
いつでも取り外し移動OK、そして何より安上がりで気楽です 。

1年目の開花した姿。
 
マルチング 
我が家の場合、春は鉢植えのお世話で手一杯になるので、手の回らない地植えはこの段階でマルチングをしてしまいます。

左側にはカンナクズを10cmほどの厚さで、右側の黒っぽいのはバーク堆肥で7-8cm程度です。
将来はそのまま土になじんでいきます。
※カンナクズは大工さんに頼めば頂けるかも・・・・。
 
 
 冬剪定(木立バラ)
 品種によって、違いますし、結局はお好みでよいと思うのですが、サンプルとして、ティの「サフラノ」を剪定してみました。

剪定前の姿。
葉もまだ残っていますし、細枝がかなり沢山出ています。

全体の上2/3を剪定し、細い枝、枯れ枝、ふところ枝などを取り除きます。

切り取った部分。
サフラノは花枝を割合に長く伸ばすタイプなので、かなり思い切って剪定しています。(強剪定)
お好みですので、この限りではありません。

鉢植えの場合は、鉢の高さの分、強剪定にすることが多く、地植えの場合は、弱剪定でもよい場所があります。

葉を取り除き、植え替えや土替えを行い、石灰硫黄合剤を塗布または散布します。

葉を残しておくと、病原菌を持ち越し、また、春の新芽が美しい時期に古い葉が美観をそこねます。

当地ですと、遅くとも2月中旬までには剪定、土替え、石灰硫黄合剤を済ませます。1月がベストでしょう。

 【剪定のヒント】

冬剪定を全くしないと、花が咲かないこともありませんが、上のほうの細い枝から花芽が出てしまい、良い花が咲かず、株元は寂しく、段々樹形が修正不可能になってきます。
冬は前年の失敗もリセットして、春を迎えさせる絶好のチャンスです。

上記の剪定はサンプルですが、個人的には、もう少し切ってもいいかな・・・と思うほどです。「枝を切り取る=花芽を切り取る」ということですから、お好みではありますが、私の場合は、花数も欲しいけれども、花の美しさ大きさも大事なのと、なるべくコンパクトにしたいという思いがあるからです。
また、剪定前の姿を知っているならば、花枝がどのくらい伸びて花が咲いているかをだいたい把握できると思います。その花枝の長さの先に、春に花が咲くと考えれば、短くすることに抵抗がなくなるのではないでしょうか。

1輪1輪美しい花を咲かせつつ花数は確保したいし、いいシュートは出させたいし、こんもりと葉を繁らせたいけれど、余りに繁りすぎると、内側は日照が足りず黄変したり風通しが悪くなり病気に罹りやすくなるし・・。
そんなことを頭に巡らせながら、「ほどほど」のところを探るのも楽しいものです。

育てて1年目で、まだ想像力が足りない場合は、教科書どおり1/3ほどに剪定して、春の様子を見てください。ご自分の好みが分かってくるはずです。
 
 鉢の土替え
 鉢植えの場合、特別大きな鉢でない限り、毎年土替えしましょう。
  7号鉢から7号鉢への植え替え(土替え)を例とします。

まず、鉢から苗を外します。根が張って鉢からなかなか出てこない場合は、写真のように「トントン」と鉢をたたいたり、鉢底の角を地面に少し打ち付けると、外れやすくなります。 
  株元をもって、そっと鉢から外します。
せっかくの芽を痛めないように気をつけて。 
  白い根が回った根鉢(鉢の形をした根)。

7号鉢じゃ小さいでしょう。本当はもっと大きな鉢に植えて下さいね。
私たちは販売を考えないといけないので小さめの鉢に植えて、そのハンディを跳ね返すだけの世話をして、それなりに大きく育てますが、もしも10号鉢に植えていれば、もう2−3割は大きな苗になっていたはずですし、地植えですと、茎の太さももっと太くなっていたはずで、その分花数も増えていたはずです。 
   根鉢を下から見てみましょう。

当園は鉢底にプラスチックの網の代わりに、昔ながらの方法で籾殻を敷いています。長年の経験で苗の生育に影響のない量ですので、気にされませんように。ゴミも出ませんしね。
  さて、この根鉢を崩していきましょう。

『根鉢崩しショートカット法』

どこから崩していこうかと悩むほど根が張っています。
じっくりと崩していってもいいのですが、根は結局、1/2から1/3に整理するわけですから、最初に下の根をスコップでカットしてしまうと、後が楽チンです。
   はい、こんな形でカットできました。
   次に株元をしっかりと持ち、靴の先の丸みを利用して、コツコツと打ち付けます。(決して、「蹴る」と表現してはいけません。^^;)
バラバラと土が簡単に落ちていきます。
2日前から潅水を控えておきますと土落としは更に楽になります。

指でイジイジと時間をかけて根を崩していくより、よっぽど根には優しく、時間もかかりません。靴の丸みって、根は痛めませんし、土崩しには最適です。
「愛のムチ作戦」でございます。
  「愛のムチ」で大方の土は落ちます。
地面近くの細かすぎる根は鋏を入れながら、残りの部分を手でほぐすと、あっと言う間です。 
  手でほぐし終わった後です。

この後、完璧を目指す方は、水で根を洗い、全ての土を落としても構いません。
   長く伸びすぎた根や、細かすぎる根をカットして整理します。

更に大きな鉢に植え替える場合は、細かすぎる根を整理する程度でよいでしょう。
   根の整理が出来ました。

もう少し細い根はカットしてもよいです。
太い根から新しく白根が伸び、それが水や養分を吸収するので、「お役目御免」の根は整理して、新陳代謝を良くしてやりましょう。
   鉢に植えつけます。

バラの枝は接ぎ目の方に傾いて伸びていきがちですので、このときに、傾きを修正して、株を垂直に植えつけます。
   名札を立てて、出来上がり。

このあと、すぐに水をたっぷりと与え、根が乾かないように気をつけてください。

春になっても芽吹かない、根付かない原因の一番はなんと言っても潅水の失敗です。
今後、葉がないと言っても、茎からの蒸散がありますので、冬だからといって侮らず、水遣りには十分に配慮してください。
よっぽど水はけが悪くない限り、根腐れを起こしたりするようなヤワな苗は作ってないつもりなのです。
 
 
 春の姿
満開の鉢

枝の伸び方や柔らかさ、そしてご自分の好みをミックスして、仕立てましょう。

1年目は完璧を目指さず、ゆったりとした気持ちで観察し、翌年、自分好みにワガママを通した仕立て方を考えればよいのです。
お手元にお届けする苗と私たちが春に咲かせる苗は同じものです。
一緒に頑張って咲かせましょう!

満開の畑。

自分の手で仕立て、誘引したバラの姿。
満足、満足。



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